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「やりたいことがわからないまま、転職しても大丈夫なんだろうか」——これは私が転職相談を受けていた3年間で、20代の方から最も多く聞いた言葉でした。面談室で履歴書を前に、「自分が何をしたいのか、正直わからないんです」とうつむく方を、私は何十人と見てきました。
結論から言うと、大丈夫です。ただし条件があります。やりたいことは見つからなくても、「キャリアの軸」さえ作れれば転職は成功します。むしろ、やりたいことを探し続ける人ほど動けなくなり、軸を作った人から順に決まっていく——これが100人以上を支援して見えた、はっきりとした法則でした。
この記事を書いた人(筆者紹介)
大手人材会社で3年間、RA(企業側)・CA(求職者側)の両方を経験。400社以上の採用担当者と関わり、100人以上の転職をサポート。自身も「やりたいことがわからない」時期を経て、人材業界からIT業界の法人営業へ転職。その際「先に退職して半年無職」という失敗も経験。支援する側・される側の両方を知っているからこそ、本音でお伝えします。
やりたいことがわからないまま転職しても大丈夫?
大丈夫です。むしろ20代で「やりたいことが明確な人」の方が少数派です。私は採用の現場で何百人と面談しましたが、20代前半で確固たるキャリアビジョンを淀みなく語れた人は、正直ほんの数人でした。ほとんどの人が「なんとなく今のままでいいのか不安」という、モヤっとした状態からスタートしています。
問題は「やりたいことがない」ことではありません。本当に危険なのは、軸がないまま「なんとなく良さそう」で転職先を決めてしまうことです。軸さえあれば、やりたいことが未確定でも「自分に合う環境かどうか」は判断できます。逆に軸がないと、どんなに良い求人が来ても決め手を欠き、最後は「給料が高いから」「なんとなく雰囲気が良かったから」で決めて、また同じ後悔を繰り返してしまうのです。
【体験談】私自身も「やりたいことがない」まま社会に出た
偉そうに書いていますが、私自身が「やりたいことがわからない」典型でした。新卒で人材業界に入ったのも、正直「人と関わる仕事が良さそう」くらいの解像度で、明確な志があったわけではありません。周りが自信ありげにキャリアを語る中、自分だけが地に足がついていないような焦りを、ずっと抱えていました。
転機は、CAとして相談者の転職を支援する中で訪れました。100人以上のキャリアと向き合ううちに、「やりたいこと」を探している人は前に進めず、「自分が何を大事にしたいか」を言語化できた人はスッと決まっていく——という共通点に、はっきり気づいたのです。
それを自分自身にも当てはめてみました。「人の意思決定に伴走する瞬間が好きだ」「形のないサービスを提案する仕事に手応えを感じる」。そう言葉にできたとき、初めて自分の進む方向が見えました。結果、私は人材業界からIT業界の法人営業へと移りました。やりたいことが降ってきたのではなく、過去の経験から軸を”作った”のです。
私の失敗:ただ、その転職では大きなミスもしました。勢いで「先に退職」してしまい、無職期間が半年に及んだのです。貯金が減る焦りで視野が狭くなり、あやうく軸に合わない会社に飛び込むところでした。軸を作ることと、在職中に動くこと。この両輪がそろって初めて、納得のいく転職になると痛感しました。
【現場から】100人を支援して見えた「決まる人・決まらない人」の差
CA時代、同じように「やりたいことがわからない」と相談に来る20代を、何人も担当しました。その中で、スッと決まる人となかなか決まらない人には、はっきりした違いがありました。
決まらない人ほど、「もっと自分に向いてる仕事があるはず」と正解探しを続けます。求人を紹介しても「うーん、ピンとこなくて」が口癖で、いつまでも決め手を見つけられません。一方、決まる人は「やりたいことは正直まだわからないけど、”これだけは避けたい”はハッキリしています」と語れる。だから求人を見たときに「これは違う」「これはアリ」と即座に判断できるのです。
元エージェントの本音:面談で「やりたいことは?」と直接聞いても、答えられる20代はほとんどいません。だから私はいつも逆から質問していました。「これまでで一番イヤだった仕事は?」「時間を忘れて没頭したのは?」と。やりたいことは直接聞いても出てきませんが、”避けたいこと”と”心地よかったこと”を積み上げると、必ず輪郭が見えてきます。それが軸の正体です。
そもそも”やりたいこと”は見つからなくて当たり前|軸は探すより作る
ここで大事な前提を1つ。「やりたいこと」を頭の中だけで探そうとしても、まず見つかりません。なぜなら、やりたいことは経験の外側からは湧いてこないからです。やったことのない仕事に「やりたい!」と思えるはずがないのです。
だからこそ、やりたいことは”探す”ものではなく、これまでの経験と価値観から”作る”ものだと考えてください。過去にイヤだったこと、逆に心地よかったこと。その2つを棚卸しすれば、「自分はこういう方向に進みたい」という軸が組み上がります。次の章で、その具体的な作り方を3ステップで解説します。
キャリアの軸の作り方3ステップ
軸は次の3ステップで作れます。難しい自己分析ツールや診断は不要です。紙とペン、あるいはスマホのメモだけあれば十分です。
ステップ①|”避けたいこと”を書き出す(過去の棚卸し)
まずは「これだけは避けたい」を言語化します。長時間労働・数字だけで詰められる環境・転勤・裁量のなさ・成長できない職場など、過去に苦痛だったことを思いつく限り書き出しましょう。ここが一番ブレない、あなたの軸の土台になります。現場でも、避けたいことを5つ挙げられる人は、それだけで求人の半分を「対象外」にでき、判断が一気に速くなりました。
ステップ②|”心地よかった瞬間”を思い出す(価値観の抽出)
逆に、仕事や学生時代に「これは良かった」と感じた瞬間を集めます。人に感謝されたとき・一人で黙々と集中できたとき・新しい仕組みを作れたとき・チームで何かを達成したとき——ここに、あなたが本当に大事にしている価値観が隠れています。「なぜそれが心地よかったのか」まで一段掘り下げると、価値観の解像度がぐっと上がります。
ステップ③|”目指す姿”から逆算する(未来からの設計)
最後に、3〜5年後にどうなっていたいかをざっくり描き、そこから逆算して「次に得るべき経験・スキル・環境」を決めます。完璧な将来像でなくて構いません。「マネジメントを経験したい」「専門性を尖らせたい」「もっと裁量がほしい」程度でOKです。今の延長で「次どうする?」と考えるのではなく、目指す姿から逆算するのが軸作りの核心です。
この棚卸しをもっと体系的に、質問に沿って進めたい方は、自己分析のやり方もあわせて読んでみてください。
20代がやりがちな失敗|”やりたいこと探し”の落とし穴
軸を作る前に、これだけは避けてほしい失敗があります。相談の現場でも、本当に多くの20代がハマっていた落とし穴です。
注意:「やりたいことが見つかってから動こう」と待ち続けるのは、20代にとって一番もったいない選択です。20代の市場価値は「若さ×ポテンシャル」で最も高く、待つほどに未経験職種への挑戦枠は狭まっていきます。やりたいことは動きながら見つかるもの。完璧な答えを待たず、軸ができたら動き出すのが正解です。
もう1つ多いのが、「そもそも転職すべきなのか」の段階でずっと足踏みしてしまうパターン。ここで迷っているなら、先に判断基準を整理してしまうのがおすすめです。
関連記事:転職すべきか迷ったときの判断基準
軸がある人・ない人で転職結果はこう変わる
軸の有無で、転職の結果は大きく分かれます。現場で見てきた実際の傾向を対比すると、次の通りです。
| 軸がないまま動く人 | 軸を作ってから動く人 |
|---|---|
| 求人票の条件だけで選ぶ | 「避けたいこと」で先に絞り込める |
| 面接で志望動機がブレる | 一貫した理由を語れて通過率が上がる |
| 紹介された求人に「ピンとこない」を繰り返す | 「これは違う/アリ」を即断できる |
| 内定が出ても迷い続ける | 基準があるから納得して決められる |
| 入社後に「思ってたのと違う」 | ミスマッチが起きにくい |
軸が決まらないなら”逆算型”のプロに壁打ちしてもらう
ここまで読んで「一人で軸を作れる自信がない」と感じた方も多いはずです。それは自然なことで、実は軸作りはプロと壁打ちするのが一番早い。自分では気づけない強みや価値観を、第三者の質問が引き出してくれるからです。ただし、エージェント選びには注意が必要です。
元エージェントの本音:成功報酬型のエージェントの中には、軸が固まっていない人にいきなり求人を紹介して「早く決めさせよう」とする担当者もいます。私自身も業界にいたからこそ言えますが、軸が曖昧なまま紹介を受けると、また「なんとなく」で決めて同じ失敗を繰り返します。だからこそ、最初に案件を出すのではなく、キャリアの方向性から一緒に考えてくれるタイプのエージェントを選ぶべきです。
その点で、20代〜30代前半の方に相性がいいのがアサイン(ASSIGN)です。初回面談ではあえて案件紹介をせず、目指す姿から逆算してキャリア戦略を一緒に設計してくれるのが最大の特徴。まさにこの記事で解説した「軸を作る」プロセスを、プロと二人三脚で進められる設計になっています。IT・コンサル・営業など、若手ハイエンド層の支援に強く、Bizreachのコンサル部門・全部門でMVPを受賞している実績も安心材料です。「まだ転職を決めたわけじゃないけど、方向性だけ相談したい」という段階の人にこそ向いています。
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キャリアの軸を作るチェックリスト
最後に、軸作りが一通りできているかを確認しましょう。すべてにチェックが付けば、あなたはもう「なんとなく」で転職先を決めることはありません。
□ 「これだけは避けたい」条件を3つ以上書き出した
□ 過去に「心地よかった」瞬間を思い出せた
□ その瞬間が「なぜ心地よかったか」を一段掘り下げた
□ 3〜5年後の”目指す姿”をざっくり描けた
□ 目指す姿から「次に得るべき経験」を1つ決めた
□ その軸で求人を1つ以上「これは違う」と判断できた
よくある質問(Q&A)
Q. やりたいことがないのに、面接でどう答えればいい?
A. 「やりたいこと」ではなく「大事にしたい軸」で語ればOKです。「〇〇な環境で力を発揮したい」「××の経験を積みたい」と、避けたいこと・目指す姿ベースで話せば、十分に一貫性のある志望動機になります。無理に壮大な夢を語る必要はありません。
Q. 20代後半でも、キャリアの軸作りから始めて遅くない?
A. 遅くありません。20代のうちはポテンシャル採用の枠が大きく、軸さえあれば十分に方向転換できます。ただし年齢が上がるほど「即戦力」を求められるため、動くなら早い方が有利なのは事実です。
Q. 第二新卒でも、軸がないまま転職エージェントを使っていい?
A. むしろ使うべきです。一人で悩むより、プロと壁打ちした方が軸は早く固まります。第二新卒ならではの動き方はこちらも参考にしてください。
第二新卒の転職を成功させる方法
Q. 軸を作っても、それが「正しい」か不安です。
A. 軸に「正解」はありません。今の自分が納得できていれば十分です。むしろ軸は、経験を重ねるごとに更新されていくもの。今の軸で一歩動けば、次はもっと解像度の高い軸が見えてきます。
まとめ|やりたいことは”作る”もの。軸ができたら動き出そう
- やりたいことがわからなくても転職は成功する。必要なのは「軸」
- 軸は探すより作る。「避けたいこと→価値観→目指す姿」の順で言語化する
- 完璧な答えを待たない。20代の市場価値が高いうちに動く
- 退職は内定後。私のように「先に退職」して焦らないこと
- 一人で難しければ、案件紹介より先に方向性を考えてくれるプロと壁打ちする
「やりたいことがわからない」は、20代なら当たり前のスタート地点です。私自身もそこから始めました。焦らず軸を作り、それを持って動き出せば、転職はきっと納得のいくものになります。まずは紙を1枚用意して、「これだけは避けたいこと」を書き出すところから始めてみてください。
まずは軸作りをプロと一緒に始めよう
一人で抱え込まず、キャリアの方向性から相談できるエージェントを活用するのが近道です。
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